おっ、仲間がいるぞ!

昏君

2008年11月14日 18:25

 国内でも有数のツルの越冬地である伊万里市東山代町の長浜干拓に、三羽の鶴が現れました。
 でもこれは本物ではありません。
 本物のツルの群れを誘うための「デコイ(囮)」です。
 2003年から設置されていて、それなりの効果は上げています。
 設置をした小学生たちは、多くのツルが越冬してくれる事を祈っているようですね。

   


◎佐賀新聞(2008/11/14)
 「飛んデコイ」小学生が誘いのツル模型

 伊万里市東山代町の国指定ツル越冬分散候補地・長浜干拓に13日、ツルの飛来を誘う実物大模型「デコイ」が設置された。東山代小5年生48人が、鹿児島県の出水平野へ向かうツルを呼び止めようと、マナヅルとナベヅルの親子各3体を置いた。

 デコイは強化プラスチック製で高さ最大1・3メートル。ツルの誘因効果を期待し、市が日本野鳥の会の協力を受けて2003年から設置している。同校児童は総合学習の一環で3年ほど前からツルを観察しており、昨年から設置作業にも参加している。

 長崎野生生物環境研究所の鴨川誠所長や日本野鳥の会メンバーらが指導。児童はデコイの台座を隠すための穴を掘った後、ツルが家族で餌をついばんでいるように成鳥と幼鳥を組み合わせて置き、切りわらなどで台座部分を隠した。山田葵さん(11)は「台座を固定する作業が大変だった。たくさん飛んできてほしい」と話した。

 市農山漁村整備課によると、昨季(昨年10月-今年3月)は360羽が飛来し、6羽が越冬した。今季は1日、ナベヅル1羽が飛来している。

【写真】飛来、越冬の増羽を願い、ツルの模型を設置する東山代小5年生=伊万里市東山代町の長浜干拓
   
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 ナベヅルの越夏地はシベリア付近、ロシア南部および中国北東部の国境付近です。
 マナヅルはモンゴル北東部とロシアとの国境付近、および中国北東部のロシア国境付近で夏を越します。

 そして越冬地と言えば近年、鹿児島県出水周辺のみ集中しています。
 そのために伝染病発生時に大量死が起きる危険性などが問題になっています。
 そこで越冬地を分散させようと言うプロジェクトが進行中です。
 詳しくは下記のURLをご覧下さい。
 
 ナベヅル・マナヅル分散プロジェクト
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